意外と知られていない熱中症

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こんにちは、獣医師の石川です。

前回は看護士の毛利から、熱中症のお話でした。

 

私からは獣医師目線からの意外と知られていない熱中症のお話をしたいと思います。

今回、最もお伝えしたいのは『ワンちゃんの熱中症と人間の熱中症は違う』ということです。

 

人間の熱中症はみなさんご存じの通り、飲水量の不足や発汗量の増加による脱水が主な原因になります。脱水では身体を回る血液量が減ってしまうので、内臓に十分な栄養や酸素を送れなくなってしまいます。結果、内臓は大きなダメージを負ってしまいます。これを医学用語で『循環血液量減少性ショック』といいます。

 

予防法としては、発汗量を抑えるために暑い場所に長時間いないようにしたり、室温を調整したりします。また、失った水分を補うためにこまめに水分を摂取したりもします。

 

一方、ワンちゃんの熱中症では人間と異なるメカニズムで起こります。前回のブログにもあったように、ワンちゃんは発汗による体温の調節が苦手です。なので、浅くて早い呼吸(パンティング)をすることで口腔内の水分を蒸発させたり、皮膚に血液を集めることで血液中の熱を大気中に放散させたりすることで体温を下げます。

 

この後者のメカニズムがワンちゃんの熱中症の原因になってしまいます。皮膚に血液が集まるということは、血液が足りない場所ができるということです。この場所が内臓です。内臓に十分な栄養や酸素が足りなくなってしまい、内臓は大きなダメージを負ってしまいます。これを医学用語で『血液分布異常性ショック』といいます。

 

では、ワンちゃんの熱中症の予防法はどうしたらいいのでしょうか?ワンちゃんは自由に水が飲める環境であれば、循環血液量減少性ショックは起こりにくいです。むしろ、暑い環境で皮膚に血液が集まることで起こる血液分布異常性ショックが問題となります。

 

即ち、直射日光が当たる場所、風通しが悪い場所、蒸し暑い場所にいること自体が問題となります。クーラーを付けていたとしても、車内放置は厳禁です!!『お水を与えていたら大丈夫』、これが間違いであることを覚えておいてください。

 

熱中症のなってしまった、または熱中症の疑いがあるときには、絶対に様子を見ずに動物病院まで連絡してください。熱中症は命の危険がある病気ですが、早期治療で助かる可能性が高くなります。
 

また、熱中症は予防ができる病気です。ワンちゃんは不調を訴えることができません。人間の方から積極的に環境や体調に注意をしてあげてください。

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